「ああ~!封筒のストックが切れた!書類がいくら入れても減らない!」
「おお、マジか!?今本丸にいるメンバーで、一番足早いの誰だっけ?」
厚から上がったアクシデントの悲鳴に、審神者も思わず大きな声が出てしまった。
「愛染は今長期遠征ですので、五虎退と今剣辺りでしょう」
「もう夜だし荷物も多くなるだろうから、一応保護者として骨喰に付いていってもらおう」
「よびましたか?」
長谷部と国広が刃選を決めていると、タイミング良く部屋の前を通りかかった今剣が、ひょっこりと顔を出した。
「いまつるちゃん、悪いんだけど骨喰と一緒に、今厚が手に持っている封筒を、今から渡すお金でありったけ買ってきて欲しいんだけど、大急ぎでひとっ走り頼めるか?」
「わかりました!まかせてください!」
「ついでに朱肉のインクも5つ程頼む、そろそろ色が薄くなってきた…」
胸に手を当てて快諾した今剣に、国広がインクの補充瓶を振って見せて、買ってもらう物を付け足した。
「このまえかったぶんですね、わかりました!さっそくほねばみもよびますね」
「うん、頼んだ。こっちの小銭で骨喰とアイスとか買ってもいいから、行ってらっしゃい」
「いってきまーす!」
中身を確認して財布を渡すと、今剣は元気よくパタパタと軽快な音を立てて、走り去っていった。
しばらくはそのまま無言で各々作業をしていたが、日を跨ぐ時間に近づき、だんだん愚痴や弱音がぼそぼそと出始めた。
「だめだ、終わる気がしなくなってきた……」
「そんな事言ってたら……どうあがいても終わらないぞ……」
審神者の呟きに、既に瞼がトロンと落ち始めている国広が返した。
互いに首が大分ぐらつき始めている。
「山姥切、首が座っていないぞ。寝落ちなんてしたら、貴様圧し切るからな」
「まだ、ねてない……」
手を休めることなく視線だけ動かして、指摘した長谷部に反論した国広だったが、話し方までどこか舌っ足らずになり始めた。
「ああ!まーた数字が合わんばい!!」
厚の次は、ずっと黙々とそろばんを弾いていた博多から悲鳴が上がった。
「あ゛~~」と声を上げながら、足を盛大に投げ出して、天を見上げていた。
「どこだ?」
封筒を今剣が買ってくるまで、資料を仕分けている厚が四つん這いで、博多が見ている帳簿を覗き込んだ。
「ここ!使った金の数字が、まーたズレとるたい!」
「今日行った買い物で使った分じゃないか?前もそうだったろ?」
「それたい厚兄!!」
厚の言葉にハッとして、博多は弾かれた様に身を起こした。
「……今日の昼の買い出しは、御手杵と日本号だったか。よし博多、あの二振りのポケットを片っ端から裏返してこい」
「わかったばい!!」
長谷部が顎に手を当てて、買い出し当番を言うと、博多が残像を残して走り出した。
数分後に、御手杵と日本号の情けない悲鳴が、遠くで響き渡った。

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