十三、沖田組の本丸大掃除

刀剣乱舞合歓木本丸

「うわっ!?すごい量」

 大広間の様子を見に来た加州は、先程昼を食べていた時とは一変した光景に思わず、驚いて一歩後ずさった。
大広間前にご飯を食べる時に座る座布団が、大量に大広間前の廊下にずらりと敷き詰められていたのだ。
一方大広間は昼寝の時間と同じように、壁際に低いテーブルが数台立てかけられており、真ん中には大広間の掃除をしていた粟田口の短刀達の一部が、昼寝をしていた。
昼寝用の青い掛け布団はこの季節では薄いので、今では茶色の厚めの掛け布団に変わっている。

「ん?ああ、加州殿。お疲れ様です」
「これは加州どの、お疲れ様でございます」
「お疲れ」

敷き詰められた座布団と昼寝している短刀達に目を取られて、入り口付近の片隅に座って縫物をしている、一期一振と鳴狐とその膝元にいるお供の狐に声を掛けられて、加州はようやく彼らに気が付いた。

「わっ、とと、そんな所にいたんだ。お疲れ様、こっちはどう?」

 座布団を踏まないようにつま先で跳ねながら移動して、大広間の入り口の襖の端を掴みながら中を覗き込んで、二振りの様子を伺った。
彼らはほつれたり穴が開いた座布団を補修していたらしく、床に座っている二振りの周りにはいくつかの座布団が並べられていた。
その手つきは普段から本丸共通で使っている布製品や、他の刀達が上手く出来なかった服の補修を行う、裁縫当番と言うだけあって、まったく危なげがなく慣れた様子で座布団を縫っていた。

「今は座布団を干しているので、弟達には昼寝をさせています」
「そっか、補修が必要な座布団って結構あった?多かったら小狐丸助っ人に呼ぶけれど」

小狐丸もこの二振りと同じ裁縫当番ではあるが、今は力仕事が必要な倉庫の掃除をしている。

「補修が必要な座布団も思ったほど多くはなかったので、私達だけでも今日中には終えられそうです」
「畳の拭き掃除は完了しましたので、あとは乾いた座布団の埃を払って、明日に渡って裏側も乾燥させたら終了ですな」
「オッケー、昼寝用の掛け布団は、みんなの昼寝が終わったら全部出しておいて。明日朝一番で堀川達が洗濯するらしいから」
「分かりました。弟達にも伝えておきます」
「かしこまりました」

加州が昨日の夜、事前に堀川から伝えられていた事を伝えると、一期達は頷いた。

「他の短刀達は道場だったよね、ちゃんと昼寝しに来た?」
「はい。先程起きて、続きの作業へ戻っていきました」
「そっか。じゃあ後でちょっと見に行ってみるよ」
「よろしくお願いします」

ここは大丈夫そうだなと思いながら、加州は道場の方へ向かった。

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