虹が映り込む空色の瞳

ツイステッドワンダーランドツイステ一話完結小説

「うわっ、さっっむ!!」

 オクタヴィネルの二年生フロイド・リーチは、購買部から出た瞬間に襲ってきた突風に、身体を縮こまらせて自分自身を抱きしめた。

 ナイトレイブンカレッジにも寒い季節がやって来た。
ついこの前まで殺人的な暑さだと連日テレビのニュースで報道されていたのに、その暑さがすっかりなりを潜めたかと思えば、そこから転がり落ちるように気温が下がり、今となっては青々としていた木の葉もいつの間にか枯れ落ち、寒々しい枝だけが残されている木々も増えた。
暑さから制服を着崩し、ファッションにうるさいクルーウェルや、規則に厳しいトレインに叱られた生徒達も、今ではキッチリ制服を着こんで、一見お行儀のよい見た目になっている。
 フロイドもそれは例外では無く、普段は窮屈だからとベストのボタンを外してシャツを出しているが、今では彼のシャツもスラックスの中に押し込められている。
しかしそれでも寒いので、要望を言うならマフラーも追加で欲しい。
いくら珊瑚の海の北の方の出身で、寒さに強い人魚のフロイドであっても、寒いものは寒いのだ。
むしろ常に冷たい海水にいるよりも、日差しが強く温かい日と風が冷たく寒い日が繰り返される、気温差が激しい陸の方がかえって寒く感じる。
フロイドはこんな寒い日におつかいを頼んだ幼馴染を少しだけ恨みながら、買い出しの紙袋を抱え直して足早に寮へ帰った。

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