4、「大変、この人髪の毛が燃えてる!」

ツイステッドワンダーランド生き別れのウツボの人魚

「それで?貴方達は見学に来たんですよね。まさか初対面のイデアさんに水をかける為に来た訳では無いのでしょう?」

 ひとまず仕切り直しという事で、イデアとアズールは取り敢えず二人を適当な椅子に座らせた。
イデアの会話力では話が始まらないので、主に彼らの寮長であるアズールが話を聞く事になった。

「俺達目を使わなくても楽しめる遊びを探してて、部活のパンフレットにボード『ゲーム』って書いてあったから、ここなら見つかるかなあって思ったの」
「目を使わないゲームですか?……ああ、なるほど」

 二人が何故そんなものを探しているのかアズールは疑問に思ったが、すぐに頭の中にある二人のプロフィールを思い返して、すぐにその理由に思い至った。
彼らはそれぞれサングラスと、視力補正の魔法が掛けられた遮光眼鏡を身に着けている。
ほとんど視力が必要なかった深海から、目を酷使しないといけない人間に変身して、どこかしらに負荷がかかっているのだろう。

「目が見えるようになったのは嬉しいけど、目を使うのって授業だけでもすごく疲れるんだよ。だから目を使わなくても楽しめる陸の遊びを知りたい」
「俺もサングラスかけてるけどやっぱり昼間は眩しくて……暗い場所でも遊べるゲームがしたい」
「思ったより切実な理由だった……ああ、だから二人共サングラスとその眼鏡をしているのか」

イデアも彼らの眼鏡を見て、なんとなく理由が分かったのかすぐに納得した。

「どうします?イデアさん」
「えっと……そこにゲームを置いた棚があるから、適当に見てって。気になる物があったらそれで遊んでもいいよ」
「分かった」

 イデアが指をさした棚には、沢山のゲームが入った箱が置かれていた。
マジカルライフゲームやリバーシなど、誰もが知っているようなゲームから、マニアしか知らないようなマイナーなゲームまである。
どれも初めて見るゲームのパッケージの箱を、スレイド達はおもちゃ屋の窓の外から店の中を眺める様に、レンズの下から目をキラキラさせながらそれを眺めていた。

「珍しいですね、貴方がすぐに誰かを負い返したりしないなんて。仮にも自分に魔法をぶつけようとした相手だというのに」
「何だろう……あんなに怖そうに見えるのに、なんかオルトより小さい子を相手しているみたいで……」

二人がゲームの箱を眺めているのを尻目に、自分達が先程遊んでいたゲームを再開させながらアズールが口を開くと、イデアは視線を落としながらサイコロを振った。

「なるほど、兄心をくすぐられてしまったという訳ですね」
「まあ……言ってしまえばそういう訳でして。ほんと何でだろう、妙に素直っていうか」
「でも確かに、彼らはここでは珍しいタイプかもしれませんね。……上手くお話すればいいカm……んん゛っ、いいお客様になってくれそうだ」
「アズール氏、今カモって言いかけたよね?」
「気のせいですよ」

不穏な事を口走ったアズールにイデアが指摘すると、彼はニッコリ笑って誤魔化した。

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