15、「あんたにとって、俺はあんな風に見えてたんだね」

ツイステッドワンダーランド生き別れのウツボの人魚

「うわああああっ!」

 授業の無い休日の昼下がり、寮の部屋の自分のベッドの上に寝転がって、だらだらと駄弁っていたオクタヴィネルの一年生、スレイドとバイトは、突然の大きな悲鳴に身体を強張らせた。
 
「今のなに?」
「アズール先輩の声だ、VIPルームの方からだったな」

悲壮感にも切迫感も感じられる悲鳴は、尋常でない様子だった。
いつも胡散臭い笑みを絶やさずオクタヴィネルの一番上に立っている実力者、あのアズール・アーシェングロットが、あそこまで身も世も無い悲鳴をあげるとは、もしかしたらこの寮にとって、彼にも対処できない程の緊急事態が起こったのかもしれない。
 
「何かあったか見に行ってみる?」
「ああ、行こ……って、スレイド?お前……それ……」

眠たげな眼を擦って起き上がったスレイドの顔を見て、バイトは顔を引き攣らせた。
 
「なに?」
「いや、お前……顔どうしたんだ」
「え?」
「鏡見てこい、今すぐに、早く」
「う、うん」

何も答えず強張った顔のまま洗面所の鏡を指さしたバイトを不思議に思いながら、スレイドは眠気の残る身体を叱咤して、洗面所にある鏡で自分の顔を見て、固まった。

「……なに、これ」

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