みんなの依頼を解決しよう! 依頼1から3まで

ツイステッドワンダーランドマレウス・ドラコニアの「みんなの依頼を解決しよう!」

「みんなの依頼を解決しよう」
「そうです!」
 
 ここはツイステッドワンダーワンドにある名門、魔法士養成学校ナイトレイブンカレッジ。
学園長室に呼び出されて、一枚の紙を手渡されたディアソムニア寮長マレウス・ドラコニアは、紙に書かれている最初の一文を復唱して、目の前の椅子に座って胡散臭い笑顔を浮かべている学園長、ディア・クロウリーを見下ろした。


「クロウリー、これは何だ?」
「それがですね。先日私が大事な物を無くして、学園中を歩いて探し回っていたんですよ」

 マレウスはクロウリーに説明を求めると、彼はその質問の答えとは思えない自分の出来事を説明し始めた。
あまりにも話が長いので、今日の放課後は何をしようかとマレウスが目の前の男の話をぼんやりと聞きながら考えている間に、クロウリーの説明には熱が入り始め、「それなのにですよ!」と椅子から立ち上がった。
 
「困っていたのに、生徒達は見ているだけで誰も助けてくれなかったんですよ!おまけに慌てている私を見て笑っている生徒までいる始末!私学園長なのに酷いと思いません!?」

バン!と、クロウリーが怒って机を叩いた音で、マレウスは一人歩きしていた思考を元に戻した。

「それで、その話とこれに何の関係があるというんだ」
「そう!そこで生徒の皆さんに人助けの大切さを知ってもらう為に、この『みんなの依頼を解決しよう作戦』を計画したんです!」

話が読めないマレウスに、クロウリーは表情を一変させて彼の持っている紙を指さした。
 
「寮長や学園関係者からいろいろな依頼を応募した中から10の依頼を選び出し、くじびきで選ばれた生徒に一日一つの依頼をこなしてもらいます。依頼をこなしたらその証としてヴァンルージュ君にその様子をカメラで撮影してもらう予定です」
「なるほど。……ところで、何故僕にその話をするんだ?」
「それはマレウス・ドラコニア君、貴方がその依頼を解決するからですよ」
「……は?」

クロウリーの言葉に、マレウスは目を丸くして固まった。

「僕が?」
「ええ。公平なくじ引きの結果、ドラコニア君が見事に選ばれたので、ここに貴方を呼んで内容を説明しているんですよ」
「…………」
「ああ、それと言い忘れていました。この依頼、全て魔法を使う事は禁止です」
「魔法の使用を禁止、だと?」

クロウリーの言葉を聞いて、マレウスがもう一度手渡された紙を見直すと、下の方の注意事項に確かに魔法の使用禁止と赤字で書かれていた。
 
「貴方ならどんな依頼でも、魔法で簡単に解決してしまうでしょう?それでは面白、んんっ、やりがいがありませんからね。貴方にとっても、普段あまり交流をしない他の生徒の新たな一面が見られる滅多にない経験を得られるでしょう!では、明日からなのでお願いしますよ」
「…………」 
「ドラコニア君?」
「ふふ……面白い。たまにはこういった事に参加するのも悪くないか」

紙を見つめたまま黙っているマレウスを不審に思ったクロウリーが声を掛けると、彼は笑い始めた。

「いいだろう。その依頼、僕が全て解決してみせよう」

機嫌を損ねてしまっただろうかとクロウリーは内心冷や汗を掻いたが、どうやら杞憂だったらしい。
マレウスは愉快そうな笑みを浮かべたまま、紙を持って学園長室を出て行った。

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