「……はっくしゅっ!」
「おや、風邪ですか?フロイド」
飛行術の授業が終わり、昼休みまで残り一限となった頃、使っていた箒を戻そうとしていたジェイド・リーチは、たまたまクラスの合同で一緒になった双子の片割れであるフロイド・リーチに声を掛けた。
先程から何度もくしゃみをしている彼は、目尻に生理的な涙を滲ませながら、スンと鼻をすすった。
「んん~わかんね。さっきからくしゃみが止まんねえの、ちょ~ウゼ、っ……はあっくしょ!」
「ふむ……失礼」
顎に手を当てながら少し考えて、ジェイドは再び身体をくの字に折り曲げて盛大にくしゃみをする彼の額に手を当てた。
「熱は無いようですね、今日は早めに寝て休息を取った方がいいでしょう」
「……っくしっ!うう゛~……そうする」
くしゃみの衝撃で痛む鼻を摘まみながら、フロイドは不満げに頷いた。
「箒は僕が直しておきますね」
「へっくしっ!んん゛っ、お願い」
ジェイドはフロイドが渡した箒を受け取ると、二つの箒を戻しにその場から去っていった。
「なんなんだよこれ……」
その場に一人立ち止まったフロイドは、腹部に広がる僅かな違和感に首を捻りながら、自分の腹を擦った。

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