力加減
前ページ「行きつく先はきっとおなじ」で、ノボリを傷つけたせいでトラウマを抱えてしまった、クダリだったゾロアークが、ノボリの手持ち達に力加減を教わる話。
注意事項:ポケモン達がメインなので、ポケモン同士で会話しています。
「やだ怖い!来ないで!!」
「大丈夫だよゾロ坊、オレ達もご主人もそんなにヤワじゃないから」
「大丈夫、怖くないわよゾロアーク」
「だってまた傷つけちゃう!近づきたくない!」
「まいったなあ……」
ゾロアークを宥めながら追いかけるグライオンとモジャンボ
ノボリを傷つけてしまった事がトラウマになってしまったらしく、彼のポケモン達にも近づけないでいた。
岩に座ってそれを笑いながら見ているフーディンに、文句を言うグライオン
「フー爺!笑って見てないで助けてくれよ!」
「できん事はないが、儂が坊主を捕まえようとしたら弱い者いじめになってしまうからの。ほれ、頑張れ若者よ」
「もー!分かったよ!もっかい行ってくる!」
散歩から帰って来たダイノーズ
ダ「あれ、あの子またやってるの?」
フ「ああ、毎日ようやっとるわい」
「あの俊敏な動きと、時折見せるわざの威力には目を見張る物がある。鍛えれば相当な手練になるだろう。今は力加減すらまともにできとらんようだが、勝負好きのノボリが回復したらすぐに「ブラボー」と言うじゃろうな」
「それにしても不思議ね、ゾロアの時どころか、ここに来るまでの記憶が全く無いなんて」
「雪崩に巻き込まれた衝撃でそうなる奴もいるから、そう珍しい訳でもないさ。……それよりもあの坊主がどうやって生きていたかの方が気掛かりだな」
「どういう事?」
不思議そうにするダイノーズと、手を口元に持ってきて思案するフーディン
「あやつ、もしや野生ポケモンではなかったのやもしれんな。あれだけ警戒心剥き出しで、相手がどう動くのか見れている割に、生き抜こうとする気概が全く足らん。普通なら経験がなくとも身体に染みついておる筈なのに、あれなら生まれたてのポケモンの方がずっとましじゃ」
「じゃあ……あの子は誰かに捨てられたポケモンなの?」
「まあ、あの坊主がただの忘れん坊なのかもしれんな」
「もー!フー爺さん肝心な所で適当な事言わないでよ」
プリプリ怒るダイノーズを煙に巻くように、フーディンは「はっはっは」と大きく笑った。
「まあまあ、ダイノーズちゃんそうカッカせんと。間違いを犯そうとすれば止めてやればいい。爺は気長にあの坊主を見守ってやるとするさ。記憶が抜け落ちた者同士、案外ノボリと波長が合うやもしれんしな」
ゾロアークを追いかけて疲れたモジャンボがやって来る
「さすがに疲れたわ……あれだけ動けるなんて元気ねえ、あの子。フーさん、少し手伝ってくれないかしら」
「モジャンボちゃんの言う事なら仕方ないのう」
「えー?フー爺さん、さっきグライオンの時は断ったのに」
「可愛い子の頼みは断れんからの。おーい、お前達静かにせんとノボリがゆっくり眠れぬだろう。あまり彼奴に心配かけさせるでない」
「……ごめんなさい」
ようやく動きを止めて、しょんぼりと戻って来るゾロアーク
そのあとなんやかんやあって、ジバコイルに懐くゾロアーク
ギギギアルやアイアントのはがねタイプ、でんきタイプのわざでシビルドン、デンチュを無意識に思い出すから。
「ジバコイル触ってたらなんか落ち着くの。なんでか分かんないけど、懐かしい気がする」
「望むのなら、いくらでも触るといい」
ジバコイルにノボリを抱きしめる練習がしたいと相談するゾロアーク
「ねえ、ジバコイル」
「どうした?」
「痛くないギュッってするやり方……練習したい」
「ノボリの事を見てるとね、ギュッってしたくなるの」
「……貴様主を締め上げるつもりか?」
「違うよ!傷つけるつもりない!え、えーっと……」
「……モジャンボとかカイリキーがぼくを落ち着かせてくれる時にギュッってしてくれるでしょ?」
「ああ、抱擁の事だったのだな」
「あれ、ノボリにできるようになりたい」
「では出発進行だ」
「出発進行?」
不思議そうにするゾロアーク
「主はいつも何かを始める時、この言葉を口にするんだ。私も気に入っていて時折使っている」
「なんだろ……ぼく、その言葉大好きかも!」
「「出発進行!!」」
「最初に私から試してみてはどうだ?」
「私ならそなたの爪ごときでは傷つかない。傷つける程の力で来たら、逆に弾き返してやろう。さあ、抱いてみろ」
「……可愛い」
「え?」
「誰か!誰かいないか!?」
「なんだ?どうしたジバコイル!?」
「襲撃か?」
「どうしたの?」
「誰か私の代わりにこの子を思い切り撫でてやってくれ!!」
「よーし!お安い御用だ!」
「わーーーー!?」
グライオンを筆頭に、先輩ポケモン達に鬣をぐしゃぐしゃに撫でられるゾロアーク
ノボリの手持ち達にはめちゃくちゃ子供扱いされている元クダリのゾロアーク

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