十七、薬研藤四郎の手入れ部屋日記

刀剣乱舞合歓木本丸

『22〇〇年〇月〇日
天気 晴れ
俺がこの本丸で七番目の刀として顕現してから一週間経った。
大将が戦場での記録を詳細に取っているのを見て、俺もやってみたいと思ってノートを貰った。
この本丸に顕現した刀は睡眠に対して特殊な体質を持つ可能性が高いらしい。
俺自身も今どんな体質を持っているのかまだ理解しきれていない。
体質の事でも、戦術の事でも、自分で分かった事をこれに書いていけば、
今後何かあった時にも、これから顕現するだろう新しい仲間にも役に立てるかもしれない。
続けられるかは分からんが、続けられるように短い文章でも書いていこう』


『22〇〇年〇月〇日
天気 曇りのち雨
今日の出陣で重傷を負ってしまった。
この本丸が始まって隊長以外で重傷を負ったのは俺が初めてだそうだ。大将にも大分心配させちまったな。
原因は明白、俺が昼寝を抜いて出陣をしたからだ。
夜の睡眠はしっかりとっているし、昼寝くらい少し抜いたって大丈夫だろうと思ってそのまま出陣したら、
戦っている最中に酷い眠気に襲われて、体がいつものように上手く動かせなくなった。
足元がふらついた瞬間を狙われてこの様って訳だ。
この本丸で睡眠が大事ってのは、ただの生活習慣として必要と言う訳じゃなくて、
戦う為に必要だというのが身に染みて分かった。
今日の事は教訓として決して忘れないようにしよう。』


『22〇〇年〇月〇日
天気 曇り時々晴れ
大将から手入れ部屋の管理を任される事になった。
傷の簡単な応急処置ができる事と、自分の事以外にも他の刀の体質について気づいた事を記録していた事、
そして何より睡眠の大切さが身に染みて分かっているから任せたい、だそうだ。
本丸の皆が傷ついた時にすぐに手入れができるよう、手早く用意の手配をする重要な任だ。
大将に任されたからには、全力でそれに応えないといけないな。』


「……これは日記か?」
「どうやらそのようだな。薬研はかなり早い時期から、手入れ部屋の管理を任されていたのだな」

数ページ目を通した静形は、いつの間にか巴形に寄りかかるくらい前のめりになって覗き込み、巴形は首をひねる静形に相槌をうちながら日記に細かく記載されている記録をじっくりと眺めた。

「手入れに使った資源の数もここに記されているな。毎日は書かれていないが、手入れが行われた日はかなり細かく書かれている」
「これを数年に渡って書き続けていたのか」
「ああ、読み進めてみよう」

巴形は日記を読み進める為に、次のページを捲った。

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