十七、薬研藤四郎の手入れ部屋日記

刀剣乱舞合歓木本丸


『22〇〇年〇月〇日
天気 雨
江雪が左手を血まみれにして手入れ部屋にやって来た。出陣すらしていないのに珍しい。
訳を聞いてみると、最近弟達に勧められて絵を描き始めたらしい。
そこで短くなった色鉛筆を削る為にカッターナイフという、鉛筆を削る為の薄っぺらい小刀を使ったらしいんだが、
慣れない道具を使ったせいで、人差し指をざっくりとやってしまったそうだ。
かなり血は出ていたが、このくらいの傷なら資源を使った手入れは必要なさそうだから、少しきつめに包帯を巻いておいた。弟達も何度かあれで指を切っているから、この前万屋で見かけた鉛筆削りを大将にねだってみるか。』


『22〇〇年〇月〇日
天気 晴れ
堀川が木から落ちて、沢山の打ち身と擦り傷をこさえて来た。
この前の本丸一同でする洗濯の日に、自分の布を洗おうとしない隊長を追いかけたら、
森の木の枝を、隊長が猿みたいに移動した事で撒かれてしまったのが相当悔しかったらしく、木登りの練習を始めたそうだ。
ちなみに木から木への移動の仕方が理想的って事で、今剣から教えて貰っているらしい。
源義経の守り刀と言うだけあって、今剣はかなり身が軽い。まさに「飛んだり跳ねたりお手の物」って訳だ。
堀川も身は軽い方だが、あいつの木登りを真似するのは正直難しいだろうな。
まあそれを言った所で、諦めるような刀でもないから、
俺はまた堀川が傷をこさえて来た時に、いつでも手当できるようにしておこう。
今日で絆創膏をほとんど使ってしまったから、しばらくの間は少し多めに補充しておくか。』


『22〇〇年〇月〇日
天気 曇りのち晴れ
昨日は年に一度の大きな宴会があった訳だが、酒を飲んで大広間で寝落ちして風邪をひいた奴らが続出した。
弟達や鯰尾兄とかは早々に床につくか、寝落ちした弟は部屋に運んだが、さすがに大きい刀達は俺では運べない。
とりあえず小夜と一緒に昼寝用の掛け布団を掛けて回ったが、焼け石に水だったようだ。
大将まで若干微熱が出ていた。久しぶりの宴で皆羽目を外しすぎちまったな。
風邪薬と氷が無くなりそうだから、岩融辺りに頼んで万屋へまとめて買いに行ってもらおう。』


『22〇〇年〇月〇日
天気 晴れ
現在行われている大阪城の戦場で、最近顕現した髭切が重傷を負った。重傷の刀が出たのは久しぶりだ。
手入れで大将もかなりの霊力を消耗したから、今日の出陣は取りやめになった。
髭切は弟の膝丸が起きる春までに、練度を同じにしたい為に連日出陣していたのだが、
無理が祟ったらしく、手入れの後に高熱を出した。
髭切自身の部屋に運んで、昨日の夜から燭台切と一緒に看病をしているが、用意してもらったお粥も半分しか食べられず、
呼びかけへの応答もいつもよりかなり時間がかかっている。
夕餉の後に様子を見に行ったが、寒いのか若干震えていた。
ただでさえ高熱なのに、これ以上更に上がるかもしれない。
今日は髭切の部屋に泊まり込んで、余りにも熱が酷いようなら解熱剤を飲ませよう。』


『22〇〇年〇月〇日
天気 晴れ
初めて解放された戦場での連隊戦開始から数日が経った。
今回の連隊戦は夏の海が戦場らしく、ひたすら夜光貝を集めよとの政府からの指示だが、予想以上に過酷だ。
真夏の海は日差しが強い。戦闘中に熱中症で倒れる刀が続出した。
連隊戦が始める前から意気込んでいた愛染が重度の熱中症になって、政府の医療センターへ連れて行く事になった。
幸い大事には至らなかったが、しばらくは安静を言い渡されたので、明石に付き添いを任せた。
新入りの刀に関しては、己が体調不良に陥っている事に気づけず、重症化した刀も出ている。
大将から一旦編成や出陣する部隊の仕切り直しをする為に、明日の出陣は取りやめになった。
俺も注意はしていたが、まだまだ呼びかけが足りなかったし、真夏の海を舐めていた。
今後こんな事が起きないように、夏の暑さと熱中症の対策について、色々と知っておく必要がある。』

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