ツイステ闇鍋スロット

ツイステッドワンダーランドツイステ一話完結小説

ディアソムニア組の王様ゲーム 
「シルバーが セーラー服を着て シャツを捲り上げる」
「シルバーが はにかみながら 口元を手で隠す」

「「王様ゲーム?」」

 すっかり日が暮れたディアソムニア寮の談話室。
副寮長のリリア・ヴァンルージュは数本の割りばしを持って、弟子であり学園では後輩であるシルバーとセベク・ジグボルトに声を掛けた。
  
「ああ。今日部活でケイトからやり方を教えてもらっての、わしもやってみたくなって早速用意したんじゃ」
「リリア様、その王様ゲームとはどんなものなのですか」

聞いた事のないゲームの名前に、セベクがリリアに尋ねた。

「そうじゃな。ではルールを説明するから、まあ二人ともそこに座れ」
「では失礼します!」
「親父殿、時間がかかるようなら何か飲み物でも持ってきましょうか?」
「気が利くのうシルバー、では四人分頼む」
「分かりました」

リリアに促されて、セベクは近くにあったソファに座り、シルバーは飲み物を取りに一旦その場を後にした。

「マレウスも誘うとするか。ええっと、あやつはどこに……お、おったおった。マレウス!」

ちょうど談話室に入って来たマレウス・ドラコニアにリリアが声を掛けると、彼はそのまま真っすぐこちらにやって来た。
 
「僕を呼んだか?リリア」
「今三人で王様ゲームをやろうとしておったんじゃ。お主も一緒に参加せんか?」
「王様ゲーム?」
「なに、ちょっとした遊びじゃ。こういったのは人数が多い方が楽しいからのう」
「ふむ、ではやってみるとしよう」
「くふふ、そうこなくてはな」
「若様!こちらの席へどうぞ」 
「ああ」
 
リリアの誘いに興味を示したマレウスは、セベクに促されて彼の隣の席に座った。 
 
「お待たせしました。マレウス様もいらしてたのですね」
「ああ、リリアに誘われてな」
「ではルールを説明するぞ」

シルバーが戻ってきてメンバーが揃い、リリアはいたずらっ子の様な笑みを浮かべた。
 

それから王様が決まっては簡単な命令を下し、指名された者はそれに従うのを繰り返した。
そうして夜も更けていき、とうとう最後のラウンドになった。
 
「おっ、わしが王様じゃな?じゃあ、3番がこのワンピースを着る!さてさて、誰が当たった?」
「僕は1番だ」
「俺は2番です」
「ぼ、僕が3番です……」
「おお、セベクか!最後じゃからとびっきりのを用意せねばな」

王様になったリリアに指名されたセベクが、震え声で割りばしを見下ろしながら申告した。

 リリアが始めた王様ゲームは最初の方は平和に進められていた。
シルバーやマレウスが王様に当たった時は、指定した相手に「他の者の頭を撫でる」「紅茶のおかわりを用意する」などの割と微笑ましい内容の命令だった。
冗談が通じにくいメンツが多いというのもあったのだろう。
しかし、リリアが王様になった時は彼のちょっとしたイタズラ心と悪ノリにより、雲行きがどん怪しくなっていた。 
 
「ほれセベク、これがお主の衣装じゃ」
「こ、これは!」

リリアがセベクに差し出したのは、ピンク色でフリルが沢山ついたワンピースだった。

「リリア。先程から気になっていたが、一体どこでその衣装を用意したんだ?」
「サムの店でたまたま安く売っておってな。面白そうじゃったからつい買ってしもうたんじゃ」
 
 マレウスがリリアの小道具の用意の良さに思わず尋ねると、彼はさらりと、とんでもない事を言いながらウインクをした。
マレウスの立派な角も既にリリアの命令の犠牲になって、真っ赤なリボンにグルグル巻きにされて、可愛らしくラッピングされていた。
  
「セベク、王様の命令は絶対だぞ」 
「貴様に言われなくとも分かっている!!なぜ貴様は平気なんだ!」
 
涼しい顔をしているシルバーは、既にリリアの命令により膝丈の紺色のスカートと真っ白なセーラー服に着替えさせられていた。
着替えた直後はリリアに揶揄われて、はにかんで口元を手で隠していたのに、今はすっかりいつもの表情に戻ってしまっている。
  
「……こういうのは下手に恥をもった方が恥ずかしいぞ」

シルバーはどこか悟りを開いた様な遠い目をした。 
 
「もしかして着方が分からないのか。なら俺が手伝おう」
「うわっ!?ちょっと待て!!」
 
シルバーにいきなり制服のシャツに手を掛けられて、セベクは慌てて彼の手首を掴んだ。

「いきなり脱がそうとするなシルバー!!」
「どちらにせよ脱がないと着替えられないぞ」

「……リリア、王様ゲームとはこういったものなのか?」
「くふふ、こう騒がしいのもたまには良いじゃろ?まさに青春じゃ」
 
制服を脱がせようとするシルバーに抵抗するセベクを眺めながら、マレウスが不思議そうにリリアに尋ねると、リリアは談話室内をドタバタと騒ぐ弟子二人を眺めて、ソファの背もたれに肘をついてさも愉快そうに笑った。

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