一週間後。
無事ハクタイシティのポケモンセンターに辿り着いたコウキとクダリは、エントランスのベンチに座って、シロナの到着を待っていた。
彼女が来るまで特にする事も無くて、コウキはぼんやりと目の前を行き来する人やポケモンを眺めていると、ふと隣から肩をつつかれた。
目を向けると、何やら落ち着かない様子のクダリが自分にスマホの画面を見せていた。
『ねえコウキ。本当にぼくも付いて来て良かったの?』
「え?」
『シロナさんはコウキに会いたいんだよね?ぼくお邪魔じゃない?』
「大丈夫ですよ!クダリさんの事もちゃんと紹介しますし、シロナさんも知らない人だからって追い返したりするような人じゃないですから」
自信満々の表情で拳を作るコウキを見て、クダリは「本当にそうかな?」と苦笑いを浮かべながら居心地悪そうに座り直すと、ポケモンセンターの外が急に騒がしくなった。
ポケモンセンターの入口が開かれると、金色の長髪に黒い服を着たスレンダーな女性が入って来た。
自分を見つめるトレーナー達の視線を気にした様子も無く、彼女はコウキ達の前で立ち止まった。
「久しぶりね、コウキくん」
「シロナさん!お久しぶりです!」
「あら?そちらの人は……」
微笑みを浮かべてコウキに話し掛けたシロナは、同時に彼の隣に座っていた男性の姿に気が付いた。
「勘違いだったらごめんなさい。もしかしてあなた、イッシュ地方のクダリさんかしら?」
「えっ!?」
「!!」
クダリの前に立ったシロナが彼の名前を言い当てたので、コウキもクダリも思わず目を見開いた。
「シロナさん、クダリさんの事知ってたんですか?」
「ええ。イッシュ地方のサザナミタウンに行った時に、時々サブウェイマスターの噂は聞いていたの。初めまして、シロナです」
『初めまして、シロナさん。ぼくクダリ、ノボリを探す為に今コウキと一緒に旅してる。少し前にケガしてお話が上手くできないから、こんな形でお話するの許して欲しい』
シロナが握手を求めて手を差し伸べたので、クダリも自分の言葉を打ったスマホの画面を見せてから、シロナの手を取って握り返した。
「ここにあなたが来た事……ただの偶然なのかしら?」
握手する手を解いた後、シロナは何かを思案するように口元に手を当てて小さく呟くと、すぐに元の表情に戻って話を切り替えるように手を叩いた。
「さあ。話をする前に見せたい物があるから、場所を変えましょうか。クダリさんも、きっと関係がある話になると思うわ」
「「?」」
初対面のクダリにも関係がある話が何なのか分からなくて、コウキとクダリは互いの顔を見合わせた。

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